ザ・グループ、国連に行く
ウィーンに着いたのはサンディエゴを出発して13時間後の午前9時でした。ウィーンは美しく伝統豊かな街です。バーバラと私にとって初めてのヨーロッパだったので、この旅をとっても楽しみにしていました。そして、程なくして、難局に遭遇です。税関で多くの人に、この剣のことを説明するハメになったのです。ただ、空港で招待してくれたローデス・レスペルガーさんが花束を抱えて出迎えてくれたことが、この旅がこれからどんな風に展開していくかを暗示していました。彼女はウィーン国連都市秘教協会の代表で、このイベントのホストを務めてくれました。宿泊先のホテルは美しき青きドナウ川の運河の近くでした。私たちは、ホテルにチェックインし、午後4時の国連でのチャネリングを控えて少し休むことにしました。
午後になって、ブリュッセルから来たエバ・レイナマンさんと彼女の母親のヘレンさんと会い、地下鉄でウィーンインターナショナルセンターへ行きました。ふと、なにか違和感をおぼえ、辺りを見まわすと、地下鉄で帽子をかぶって剣を持っていたのは私だけだということに気づきました。でも、こういう状況は以前もあったので大丈夫でした。まもなくウィーンインターナショナルセンターの入口に着きました。ここでは身分証明書を見せて、セキュリティチェックと税関を通らねばなりません。ここからは別の国に入ることになるからだそうです。列に並んでパスポートを見せるとバッヂを与えられます。そして、問題の瞬間です。警備員がすべての荷物をX線検査機に通すよう指示しました。スクリーンに剣が写って彼をパニックに陥らせたくなかったので、あらかじめ、「私のケースの中には剣が入っていますよ。」と伝えておきました。警備員は返事をしたものの、うわの空でちゃんと聞いていない様子でした。なので、剣を発見して目をまん丸くしたのです。この表情はこれまでも何度か見てきました。そしてお決まりの質問です。「なぜ剣を持っているのですか?」 この同じ質問を何度も受けていれば、返答もお手のものだと思われるかもしれませんが、そうでもないのです。モゴモゴしながら、「儀式用の剣です。」と伝えました。すると、彼の頭の中では生贄の光景でも浮かんだのか、彼はさらに目をまん丸くしていました。そして、またいつもの言葉が返ってきました。「上司に聞かないと…。」 面白いことに、実際にケースを開けたとき、訓練を積んだはずの国連の警備員が、まるで初めて剣を見た少年のように目をパチクリさせていました。彼の上司が、「これで誰かの頭でも切り落とすつもりですか?」と聞くので、「まさか!」ときっぱり返事をしたところ、国連の他のより高い地位の人も証人となって、ようやく国連に入ることが許可されました。
検査終了後、私たちはこの街に足を踏み入れました。VIC秘教協会の招待で、国連のビル内で講演し、その場でこの協会の人たちを前にチャネリングすることになっていました。この協会は有志の集まりで、その大半は国連を含む様々な団体で働いている方々ですが、一般にも公開されている会です。定期的にウィーンインターナショナルセンターの国連のビル内で集まっています。足を踏み入れてみると、そこはまさに独立した街なのだということがわかりました。ウィーンインターナショナルセンターの敷地は広大で、たくさんのビルがあります。ここは国連、UNIDO、国連産業機構、国際原子力機構、UNOV、UCBDOの本拠地です。メインロビーに入ると、天井から世界各国の国旗が掲げられています。私たちはチャネリングが行われる7階へ行きました。
すでに部屋には20人くらいの人がいたので、講演に先立って自己紹介を始めました。午後5時半になると仕事を終えた様々な組織の人たちが一斉に入ってきました。大半は国連、UNIDO、国際原子力機構の方々でした。紹介され、講演を始めた頃には出席者は70人くらいに上っていました。
まず私は、一連のことがどのように始まったのか、ザ・グループがどのように私にコンタクトしてきたのかについて話始めました。そして、ザ・グループが伝えてくれるメッセージのことや、私たちのやっている仕事の動機や基本方針などについて話ました。意外なことに、出席者の多くは「光の灯台」の永年の愛読者ばかりで、話そうとしている情報にすでに準備ができていて、私たちに会うのを心待ちにしていました。彼らにとっても私たちは確証を得るための存在だったのです。私たちは他国のライトワーカーに会うことに若干期待と不安が入り混じっていたのですが、話を始めて5分経ち、聴衆の笑顔や熱心な目をみて、ここも故郷であり、ファミリーなのだとわかりました。
私は会場にいる人たちに、「剣」、「笏(しゃく)」、「羽ペン」といった道具を見せて、ザ・グループが言っているセミナーでの使い方をお話しました。ここにいる特別な光の戦士である人たちが、その剣を持っている光景を見るのは大変感慨深いものがありました。私は時差ボケのことや、こんな大事な講演を、飛行機を降りてわずか数時間後にしなくてはいけないことにかなり不安があったのですが、大勢の人の前に立った瞬間、ザ・グループがやって来たので気が入りました。
短い休憩の後、ザ・グループとのチャネリングを始めました。彼らはこれから何を話すか事前に私に教えないことにしていました。いつもなら私は彼らがチャネリングのテーマを告げてくれないととても神経質になるのですが、このときは単に忙しすぎて心配している暇がありませんでした。ライブでのチャネリングにもだいぶ慣れてきました。当初、チャネリングは書き留める形で行っていたので、こういう形になったのは比較的最近なのですが、今では同時に話すことや、ライブでのチャネリングにもだいぶ慣れてきました。今では流れに任せています。
折しも今回のウィーンへの旅は、そこから数百マイルしか離れていないところで起きていたコソボ紛争の最中でした。なので、この紛争がなぜ起きたのかを質問する方もいましたし、難民の役割について情報を知りたがっている方もいました。まさにこの事態によって深い悲しみの思いが漂っていました。ザ・グループがチャネリングの最初に触れたのもまさにそのことでした。すばらしい人たちが演じた役割や犠牲が、人類のさらなる進歩を促したのだと言います。また、このことも含め、すべての状況において、自分の立場から見た真実を話すのは適切なことだと言います。ウィーン市民の多くには、未だにホロコースト時代のトラウマの瘡蓋が残っています。ザ・グループは、ヒトラーが去った頃から地球では本格的な目覚めが始まったと言います。私たち全体の波動はその後上昇しましたが、再びあのようなことに力を奪われてはなりません。
次に、ザ・グループは宇宙のエネルギーについて話し始め、要するにそれは融合の問題だということを話してくれました。たとえるなら、実際には海の波が地球の自転のバランスを取っているようなものだと言います。エネルギー(水)は絶え間なく動き、常にバランスを取ろうとしています。均衡を保ったり、融合したりするのが宇宙エネルギーのあり方なのです。融合しようとすることは、宇宙の流れに身を委ねることになるのです。このエネルギーの流れに抵抗するのは、宇宙の流れに逆らうことになるので、サポートされません。彼らは、いかにすべての行為が、宇宙エネルギーの流れに沿ったものであるべきかを説明してくれました。融合を促進することや、分離という幻の境界線を払拭することが、人類の前進を促すことになると言います。逆に、融合するのを拒んだり、分離を促進したりすることは支持されないのです。彼らは、いかにすべての事が一つの心から始まるのかということを説明してくれました。もし、宇宙の流れに逆らった方向にエネルギーを使えば抵抗にあうことになるのです。
そして、そうした抵抗を無視すると、他者をも同じように間違った方向へと導くことになり、誤ったエネルギーを持ったコミュニティを形成してしまいます。それが続くと、朱に交われば赤くなるで、コミュニティ全体のエネルギーが間違ったものになります。彼らが言うには、この地球上の大多数の人がエネルギーの方向性を誤った方向に進め始めれば、母なる地球はゲームを終わらせようとして地球に大異変を起こし、終焉の時が訪れることになると言います。また、コソボ情勢については、長いこと光が届いていなかった地域に光を当てる機会でもあったという点を認識してほしいと言っています。地理的なことよりも、民族浄化という考え方を指摘していました。彼らが明確に言っていたのは、私たちがより高い波動にいたので、それが今になって激しい反動を受けることになったのだということです。「戦い」や「戦争」といった言葉を口にする期間は長くは続かないと思いますが、態度を明確にし、自分の真実を語り、自分自身の現実を創り出すこともとても重要なことだと伝えてくれました。いろんな意味で、この一件は、新たな地球の方向性を再確認する機会を与えてくれたとも言えましょう。彼らは、犠牲という役割を受け入れてくれた人々に対して多大な敬意を払っています。そうした人々は誰も無視できない、非常に重要な役割を演じてくれました。本当に、私たちはそうした人々にいくら感謝しても足りません。
コソボ情勢によってテーマが浮き彫りにされましたが、これはもっとずっと高いレベルの問題なのです。つまり、宇宙エネルギーのフローに関することであり、それがいかに地球上の私たちの人生や行動にとっての指針になるかということです。日常生活の中での些細な判断でさえも、その流れに反するか否かを照らし合わせることはできると言います。ましてや政府レベルともなると、行動や政策がその流れに沿っているか否かは明白だと言います。望ましい結果をもたらす行為もあれば、そうでない行為もあるという判断はあるでしょうが、私たちがどちらを選んだとしても、それで非難されるいわれはないと言います。
ユーロダラーへの動きは、融合や、境界という幻のラインの払拭に向けた格好の例です。地球市民になろうという機運が高まるにつれ、私たちは互いの絆を深めていくだろうと彼らは言います。また、私たちがそのようになると宇宙市民になることが出来ると言いました。自分の本質を理解するのを手助けしに来る存在についても話してくれました。その頃には私たちは幻の境界線を素早く手放し、新生地球の市民になるそうです。さらには、銀河系の隣人について、彼らがいかにそれぞれ異なるかを話してくれました。彼らが姿を現すようになる頃には、地球にいる私たちは互いによく似ていることがわかり、地球市民として絆が深まるだろうと言います。
その他に、肉体を持って存在している間に本来の力を取り戻し、手にすることについても話してくれました。また、昨今大きな混乱を引き起こしている惑星の配列について、ゲームボード上での人間の役割についても話してくれました。予期されていた物理的な変化や人類の目覚めについても触れていました。結論として、彼らが伝えてくれたのは、選択肢があるということ、その選択に対する責任はここにいる私たちの手中にあるということを強く認識するための基本的なメッセージでした。私たちには自分が選ぶことで自分たちの未来を創造する力があるということを、彼らは優しくしっかりと思い出させてくれました。
チャネリングの終盤にはザ・グループとの質疑応答の時間がありました。23次元宇宙に関する質問から、どうしたら自分が何者であるのかをもっと思い出せるかなど、多数の興味深い質問が寄せられました。原子力機関のある科学者からの質問には、ザ・グループから面白い反応が返ってきました。彼はシンクロニシティの本質について質問したのですが、シンクロニシティとは、自分がゲームボード上に仕組んだ神のスパークが3次元的に表れたものなのかと質問しました。それに対する回答は、彼は実際よりも複雑に考えすぎているということでした。神という概念はシンプルすぎて3次元に上手く収まらないのです。質問はあらゆる立場のライトワーカーから寄せられました。
チャネリングの最後になって、目を開けると、それまで近すぎて最前列にいた方々の目に涙が溢れているのが見えなかったということに気づきました。近すぎて見えないというのはこういうことかと悟り、こんな風に感激の涙の中にいたいかどうかということさえも、自分の選択次第であるということを伝えました。会の最後には、私たちは皆、別れを惜しんで長いハグをし合いました。そのとき素晴らしいライトワーカーが私の目の前にニコニコしながらやって来ました。彼女は私たちに挨拶をしに来たのですが、英語を話さないので通訳をしてくれる友人を連れてきました。5分程したら、彼女は通訳の友人に通訳するのを止めるよう私に伝えてほしいと告げました。彼女はメッセージをちゃんと受け取っていたのです。目から溢れる涙を拭くと、ハートを指さしました。通訳の人は、彼女はすべての言葉を「聞き取った」と言いました。
国連で経験したことで一番すばらしいことはその数日後に起こりました。ホストを務めてくれたローデスさんが再度、国連施設内でのランチに誘ってくれました。国連を就業時間内に訪れてよく見回してみたら、想像以上のことに気づきました。このウィーンインターナショナルシティには数多くのライトワーカーが息づいているのです。この広大な場所を個人的に案内してもらえたのは本当に貴重な機会でした。ウィーンを離れる直前にあるカフェでコーヒーとデザートをいただきました。テーブルについていたほんのわずかな時間に、セミナーに出席したとか、チャネリングに参加していたという人たちが5人くらいやって来て、家族のようにハグをして挨拶していきました。こんなことは期待もしていませんでしたし、バーバラ、ザ・グループ、そして私には、世界中の家族と再び繋がっていくために素晴らしい役割があるのだということを初めて認識しました。
私たちはウィーンの中心部で2日間セミナーを開催しましたが、このとても特別な場所で、ザ・グループは、ミカエルのファミリーに関することをより詳しくシェアしてくれました。この土地はミカエルのエネルギーがとりわけ強いので、こうしてお互い出逢えたのだそうです。私たちは本当にいろんな形で故郷を思い出していたのです。この地球の重要な時期に大切なライトワーカー達にこのメッセージをシェアしてほしいと頼まれるのは本当に光栄なことです。2000年4月にもまたウィーンに来てほしいと依頼され、そのご招待を喜んで承知しました。
バーバラと私はこのメッセージを伝えられること、世界中のライトワーカーと繋がれることを本当に光栄に思います。それを可能にするエネルギーを支えるすべての皆さんに感謝します。一緒に一歩一歩、世界を変えて地上の天国を創造していきましょう。
Steve、Barbara、the Group